CALENDAR
S M T W T F S
   1234
567891011
12131415161718
19202122232425
2627282930  
<< November 2006 >>
CATEGORIES
ARCHIVES
MOBILE
qrcode
カメルーンの里
22日九州石油ドームでキリンカップ、日本−カメルーン戦がありました。
ちょうどこの日、中津江村に行こうと勇んで出かけたものの、うかつでした。「昼から来てん誰もおらんよ、カメルーンの応援で村はもぬけの殻じゃけん」の返事。
出かけた矢先にいささか困ってしまいましたが、思い直しルートを変えて翌日訪ねることにしました。

カメルーンは多民族国家だそうですが、民族も宗教も違う貧しい国民をどうやってまとめていけばいいのか、大統領は考えました。
時に世界中が燃え上がる、4年に一度のサッカーのオリンピック「ワールドカップ」にヒントがありました。国民が一つになるにはこれしかないと。
以来、国策で有能な選手を養成しヨーロッパのクラブチームに送り出して外貨を稼ぐまでになり、国民はそんな選手たちを誇りに思い、その活躍をこぞって応援をしているとのことです。

中津江村は千人ちょっとの村、今回も村びとたちは8台のバスを連ね、こぞって応援に繰り出しました。村民は「カメルーン」というキーワードですぐに一つになれます。
世代を超え、国境を越えて一期一会を大切にする心、夢を託す思いで村を挙げてサッカーに夢中になれる。そのエネルギーは「理屈を抜きにした情熱」感じます。

ところがこの地域でも高齢化が進み、このままだと共同体の機能維持が限界に達して、65歳以上の人が人口の半分を超える「限界人口」が見えてきました。地域社会が崩壊するのをじっと待っていていいのか、不安視する声も上がっています。
放っておけば、豊かな自然を守れなくなる日もそう遠くはないでしょう。

合併して何かいいことありましたか?中津江に限らず殆んどの地域から「良くなった」という答えはありません。
消防の広域化で統廃合問題がもちあがり、救急医療に対する不安が募って反対運動の真っ最中だし、生徒数が減って学校の統廃合も深刻です。父兄も小中一貫校への取り組みを始めました。
でもその結果、もし子供の通学に多額の費用がかかるなら、下宿でもするようになるのなら、いっそのこと家族ごと町部に引っ越そうかなど、新たな過疎化を助長しそうな話です。以前から心配していた地域内一極集中が始まり「地域内格差」は着々と進んでいます。

大きな所帯は高率的な反面、費用対効果にこだわり意思決定が遅い、小回りが利かない、声が届かない、一人ひとりの工夫が評価をされ難いなど、改革の成果が目に見えて現れないところにイライラ感があります。
「小さな政府」はどうなってしまったのでしょうか、しっかりビジョンを描かないと間に合いません。
今回皆さんと話して感じることは、合併して大規模になることで、地域性が失われて行く現実に立ちすくんでいるよう気がしましたが、中津江にはまだ救いがあります。こんなに夢中になれる人たちが懸命に生きているんですから、子供たちの帰巣本能に響く「豊かなふるさと」を受け継いでいけるはずです。それにはこれからの十年、私たち団塊世代がもうひと踏ん張り、知恵を出して働かねばなりません。
これからは田舎が楽しい「わくわくランド」として脚光を浴びるようになりますきっと。

「信ずれば成り、憂えれば崩れる」、今後も定期的に勉強会をしようと約束して帰途につきました。
                              ひろこ
| - | 10:41 | comments(0) | trackbacks(10) | -
| 1/1PAGES |